活動レポート

バンコクでの心臓手術2024.02.04

ラオス

ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)では開院以来、心臓に問題を抱える多くの子どもたちを診てきました。心臓専門医ではありませんが、LFHCには心臓超音波検査(心エコー検査)を学び習得した医師もいます。しかしながらLFHCでの心臓手術の選択肢はなく、多くの子どもたちが徐々に心不全に陥ってしまう状態でした。

 

LFHCのチームは、手術の機会が訪れた時のためにと心臓手術を必要とする子どもたちのリストを作成し、それまでの間、患者さんとその家族のサポートはアウトリーチ・チームが担いました。

 

ついに、ずっと待っていた「その時」がやってきました。昨年の終わり、LFHCのマネジメントチームは、タイの心臓外科医、心臓専門医、看護師、サポートチームからなるチームが、彼らのプログラムをラオスに導入する予定があることを知り、チームと連絡を取り合い、手術を必要とする患者さんを紹介できるように体制を整えていきました。

 

このチームはタイのPaediatric Cardiac Surgery Foundation (PCSF:小児心臓外科財団)に属し、Child’s Dream Foundation(CDF:チャイルド・ドリーム財団)からのサポートの元、密接に連携し合いながらプロジェクトを行っています。また、タイ赤十字やビエンチャンのタイ大使館とも協力関係にあります。LFHCの医師陣は、リストの中から心臓に欠陥がある20人の子どもたちを候補に選びました。2023年10月、20人の子どもたちはビエンチャンのマホソット病院で診察を含め、必要なアセスメントを受けることになりました。

 

20人のうち12人が、バンコクのKasemrad Prachachean病院で実施される心臓手術の対象となり、手術は今年の初めに予定されていました。

 

最初の患者さんとなったのは、1歳になるオリビアちゃん。ASD(心房中隔欠損)と呼ばれる心臓に穴が開いている患者さんです。成長不良や体調不良、心不全等の症状を発することがあります。手術は2024年1月8日に行われ、無事、成功に終わりました。術後、オリビアちゃんは無事にルアンパバーンに戻り、今は健康な生活を送ることが出来ています。その後、2人の子どもたちが手術を終え、2月上旬にはさらに4人の手術が予定されています。

 

アウトリーチ・チームは、家族がバンコクに行くためのコーディネートのサポートも行っています。対象となる患者さんは全員、渡航前にLFHCで血液検査や胸部X線検査等の検査を受け、手術後は、全員がLFHCで経過観察を受けることになっています。

 

今後、LFHCでPCSFのチームによるアセスメントデーが実施される予定です。アセスメントデーというのは、心臓疾患のある患者リストから患者さんの病状を評価し、治療方針を決める日のことです。また、次の手術の候補者が決められるのもこの時のアセスメントによって判断されることになります。PCSF、Child’s Dream、LFHCの3者の協力体制はうまく進んでおり、この関係が構築できたことをとても嬉しく思います。

 

PCSFとChild’s Dreamの皆さんが、LFHCの患者さんのために彼らの人生を変え得るこのような手術を提供して下さったことに、心から感謝いたします。

 

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