活動レポート

Airnoy Thongsyちゃんのストーリー2020.12.16

ラオス

 

3年程前、お父さんに抱えられてラオ・フレンズ小児病院(LFHC)に連れて来られた小さな赤ちゃんがいました。彼女の名前は、Airnoy Thongsy(トンシーちゃん)。州立病院で予定より12週間早く生まれ、体重はわずか994グラム。お母さんは瀕死の状態でした。トンシーちゃんの呼吸が確認出来なかったため、家族は医師からトンシーちゃんは亡くなっていると告げられました。

 

瀕死の妻と小さな娘の状況に愕然としたお父さんでしたが、我が子がわずかに息をしていることに気が付き、すぐにLFHCへトンシーちゃんを連れてきました。LFHCの新生児病棟スタッフはすぐに人工呼吸器をつけ、バイタルを注意深くチェックしました。

 

数日後、スタッフはトンシーちゃんのお母さんが亡くなったと聞き、お父さんは病院スタッフに何も告げることなく村へ戻っていました。数ヶ月間家族と連絡が取れない状態が続き、トンシーちゃんの養子縁組の話も持ち上がるようになりました。

 

アウトリーチチームはお父さんと電話で話をしましたが、親族がトンシーちゃんが生まれたことが母親が命を落とした原因であるため「バッド・ラック(不運をもたらす)な子」であると信じていたことから、病院に会いに来ることをかたくなに断っていました。

 

アウトリーチチームは、決して諦めませんでした。お父さんへの連絡を続け説得し、最終的に娘に会いに来ることを承諾してくれました。お父さんは小さな我が子を目にし、涙をうかべ、じっと見つめながら腕に抱きかかえました。お父さんは妻を亡くしたショックから立ち上がれず、良き父親にはなれないと娘に会いに来る勇気がなかったと話してくれました。しかし、トンシーちゃんを腕に抱きかかえた直後、お父さんは彼女の容態がよくなったら一緒に家に連れて帰ると約束してくれました。

 

お父さんはアウトリーチチームのあたたかいサポートに感謝し、アウトリーチプログラム部長である赤尾和美看護師の名前から一文字をもらい、「Kazu Thongsy」と名付けました。

 

数週間後、生後100日のお祝いにLFHCスタッフも招待してもらい、家族と一緒にお祝をしました。Kazu Thongsyちゃんは今年3歳のお誕生日を迎えます!

 

LFHCは患者さんの治療をするだけではなく、患者さんや家族を取り巻く様々な問題に目を向けながら活動しています。

 

トンシーちゃんの動画:https://youtu.be/4cmttShPvb8

 

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