ラオスにおける医療活動 活動について

ラオ・フレンズ小児病院

年間3万人の子供たちの治療を行う、24時間態勢の救急病院

ラオスにおける医療活動の拠点が、ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)です。LFHCは、ラオスの古都ルアンパバーンにあり、新生児から15歳までの子供たちを対象に、24時間態勢の救急病院として、年間約3万人の子供たちの治療にあたっています。スタッフは、9割以上がラオス人です。
スタッフは皆、“Compassionate care”という言葉を刻み、どんな患者さんに対しても、我が子を思うのと同じような気持ちで接し、ケアをしています。
地域での認知度や信頼度が高まるにつれて患者数も年々増加し、2015年の開院以来、患者数はのべ10万人を突破しました。
一番多い病気は感染症です。栄養失調、肺炎、下痢等で尊い命を落とすこともあります。

質の高い心のこもった医療を子供たちに提供する外来診療棟

外来では、様々な小児疾患に対する治療を行っています。患者さんの症状は、咳、発熱、下痢、吐き気、呼吸障害、腹痛等が多く、そのほとんどは、ウイルス感染症、上気道感染症と診断されています。
1日約80~100人の患者さんが外来を訪れ、スタッフは日々、外国人スタッフや医療ボランティアの指導を受けながら、質の高い心のこもった医療を提供しています。

県外からの搬送も。年間のべ3,000人の入院患者をケアする入院病棟

入院病棟では旧新生児室等にベッドを配置し、現在32床まで拡張して患者さんの治療にあたっています。入院患者数は、年間のべ3,000人。近年は、ルアンパバーン県内外の病院からの搬送が増えています。
退院後、フォローアップの必要な患者さんには、継続ケアを提供するためにアウトリーチ(訪問看護)スタッフが自宅を訪問し、根本的な医療問題の解決を図ります。

授乳室も完備。母子が安心して過ごせる新生児病棟

2016年10月に新生児室を設けて以来、新生児室は常に高い稼働率が続いていたため、2018年、隣接するルアンパバーン県立病院(ラオス政府管轄)内の元小児科病棟をリノベーションする形で、新しい新生児病棟をオープンしました。新しくなった新生児病棟は、24床を備え、授乳室も完備。赤ちゃんとお母さんが安心して過ごせるように設計されています。
病棟を担当しているのは、タイ赤十字による“新生児に対する特別なケア”を学んだ医師と看護師です。

救急患者数の80%は感染症。24時間態勢の救急病棟

救急病棟では、24時間態勢で子供たちの治療にあたっています。救急患者数は1日平均30人で、そのうちの約80%が感染症と診断されています。救急専門の外国人医療ボランティアが、その知識や技術をラオス人スタッフに丁寧に伝授し、適切な治療を行っています。できる限り迅速に最善の処置を施せるよう設備も整えられています。

クラウドファンディングで設備強化。年間 800人の命を救う手術室

口唇口蓋裂の手術

手術室では、外科手術ができる設備を完備しています。適切な環境で手術に対応する医療スタッフを育成することもまた、私たちが成すべきことのひとつです。
この手術室で使用している高性能エアフィルターユニットは、2016年に、赤尾和美看護師がクラウドファンディングで支援を呼びかけ、購入したものです。このフィルターのおかげで、清潔で安全な手術を行うことが可能となりました。

2016年クラウドファンディング「年間800人の命を救う、清潔で安全な手術室をラオスに作りたい」

難病の血液疾患「サラセミア」の子供たちを救う専門外来

サラセミアは遺伝性の血液疾患で、重度の貧血と、そこからくる肝脾腫、発育遅延等が現れる病気です。輸血依存性のサラセミア疾患患者であった場合、一生、輸血を余儀なくされ、しかも、治療のための輸血で鉄過敏症を併発し、心臓や肝臓の機能低下を招く危険性もはらんでいます。
クリニックは週2回開かれており、患者数は300人を超えています。

2017年クラウドファンディング「難病の血液疾患・サラセミアと闘う ラオスの子どもたちを救いたい」

ラオスの障がい児と家族を笑顔にするための専門外来

ラオスでは、障がいがあるからといって、病院に通ったり、リハビリを受けたりすることが一般的ではなく、ラオスの医療機関の多くは、障がいの程度や種類を評価したり、それ相応の対処をしたりすることができません。こうした状況を改善するために、週1回障がい児クリニックを開いており、患者数は300人を超えています。

2018年クラウドファンディング「ラオスの障がいがある子供たちを
キラキラの笑顔にしたい!」
2019年クラウドファンディング「ラオスの障がい児ケアを一歩前へ!
心に寄り添う人材を育てたい」

放射線科医、専門技師が常駐する放射線・画像診断科

放射線・画像診断科では、PACSと呼ばれるシステムを導入しており、院内のどこにいてもサーバーに保管されたデータを確認することができ、治療に役立てられています。
また、世界的な小児画像診断連盟であるWFPI(World Federation of Pediatric Imaging)との連携を開始し、難しい症例に関して遠隔でサポートを受け、画像判断の質の向上および人材育成に繋げています。

ヘモグロビン検査やHIV、デング熱などの検査を行う検査科

検査科では、ヘモグロビン検査や、ラオスで頻繁にみられる病気を治療するための検査(HIV、デング熱、腸チフス等)に重点を置いています。
臨床検査技師は専門外来であるサラセミアクリニックでも活躍しており、院内の看護スタッフのためのサラセミア研修を実施したり、患者さんの家族のために、ラオス語でサラセミアの教育テキストを作成したりしています。

薬の飲み方や病気予防の指導の役割も担う薬局

薬局ではただ調剤を行うだけではありません。患者さんやその家族に、適切な薬の飲み方や病気の予防について、指導を行う役割も担っています。また、救急トリアージや治療に関する研修にも参加し、救急患者へのチーム対応力アップに繋げています。
よく処方されているのは、鎮痛剤、抗生物質、ビタミンB1、合成副腎皮質ホルモン製剤、葉酸、マルチビタミンです。

ラオ・フレンズ小児病院 構内図

※隣接するルアンパバーン県立病院(ラオス政府管轄)内に新生児病棟があります。

イベントEvent

活動レポートReport

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  • 赤尾看護師が、
    ラオスでの活動の様子等を
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