医療従事者から医学生・看護学生、そして患者さんや家族まで
ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)では、医療を提供するだけではなく、優秀な医療従事者を育成することにも力を注いでいます。教育の対象となるのは、院内スタッフ、ラオス国内の医療従事者、医学生・看護学生、病院の患者さんやその家族等。将来、ラオス人が自分たちの手で病院を運営することを目標とし、さまざまな教育活動を行っています。
院内スタッフへの教育
医療教育
ラオ・フレンズ小児病院では日々の診療と並行して、医療教育が行われています。基本的に患者さんのケアを行うのはラオス人の医療スタッフですが、そのかたわらには指導者が付き、患者さんの症状に合わせた最適なケアが行えるよう、日常的に指導を行っています。
臨床の場だけでなく、病院の2階にあるクラスルームでも、さまざまなテーマの講義が行われ、知識を高めています。院内での教育のほかにも、院外で行われる様々な研修に参加することもあります。
世界中から高度な知識を吸収するだけでなく、地域のニーズに合った適切な医療を考え、提供できる病院になることを目指し、これからのラオスの医療を担う人材を育てています。
教育プログラム例
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小児専門医育成プログラム
HIVケア研修
栄養失調ケア改善プログラム
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麻酔専門看護師プログラム
新生児蘇生プログラム
救急トリアージ・搬送研修
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解剖学講義
サラセミア講義
管理部門教育
将来、ラオス人が自分たちの手で病院を運営できるようになるためには、病院を運営する管理部門スタッフの育成も欠かせません。総務、経理、広報等の事務スタッフに対しても、日々の病院業務の中で、外国人スタッフによる指導と教育が行われています。
日本からもNPO法人クロスフィールズの協力を得て、日本人のITボランティアに、ITシステムの構築やITスタッフの指導を行っていただきました。
英語教育
ラオ・フレンズ小児病院の公用語は英語のため、すべてのスタッフが外国人スタッフと英語でコミュニケーションをとり、英語で記録を残す能力が必要となります。そのため、ネイティブの英語教師が常駐し、スタッフは日常の業務と並行して、レベル別・目的別の英語クラスを受講しています。
院内の公用語を英語にすると、世界中の指導者から直接学ぶことができ、さまざまな英語文献から知識を得ることができます。さらに、自らが発信する側となることも可能です。海外の学会で研究発表をするのはもとより、ウェブサイトやSNS等を通して病院の活動を世界へ発信し、支援者へ呼びかけることもできるようになります。
その他
ラオ・フレンズ小児病院では、人材育成の観点からもさまざまな研修を取り入れています。その例のひとつがリーダーシップ研修です。「個」を磨いた優秀なスタッフがチームとして活躍できるよう、チーム力アップに繋げていきます。
ラオス人スタッフに専門知識や技術を指導してくださるボランティアを随時募集しています。詳しくは、現地ボランティアをご覧ください。
外部医療従事者への医療教育
ラオスの医療レベルの底上げを図るため、外部医療施設の医療従事者や、医学生・看護学生等に医療教育を行っています。
指導を行うのは、主にラオ・フレンズ小児病院のラオス人スタッフです。日々の医療教育で身につけた高度な知識や技術を、ラオス国内の医療従事者に広めています。
人材育成を通して、ラオス国内にある医療施設を、より「使える医療」「使われる医療」にしていきます。
教育プログラム例
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診断と治療に関するトレーニング
院内感染予防トレーニング
脳性麻痺ケア講義
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新生児救急蘇生トレーニング
サラセミアのケアと治療に関する研修
患者さん、その家族への医療教育
患者さんが同じ病気を繰り返さないように、病気について丁寧に説明し、どのように予防すればよいかについて教育を行うことも、病院の大きな役割のひとつです。子供の発育のために、栄養と衛生がどれだけ大切なのかを伝えたり、母親が母乳で子供を育てられるように相談にのったりする等、基本的な衛生栄養教育も行っています。
院外の活動を主に担うアウトリーチスタッフが農村部を訪問し、子供たちの健康診断や衛生教育等を行うプログラムも実施しています。教育を通じて、ラオスの人々の健康に対する意識を高め、子供たちが健やかに生活できる環境づくりを目指します。